小岩
35mm
この七工匠の35mmの歪曲収差が段々と酷くなっていくような気がする。ぶつけたり落下させた事はないんだが、経年劣化とかがあるのだろうか。それとも私の水平の取り方が甘いだけなのだろうか。そうこう言いながらも、昔のシグマのレンズのように曇りの天候でも描写がベターっとせずに、ある程度のコントラストを保ってくれるのはありがたい。
小岩は下町だ。この前の正月に柴又に行った時にも、あるおばさんから写真を撮ってるのかいと話しかけられたものだったが、今回もカメラ談義を投げかけてくる自称52歳の長身のオッサンがいた。やはり下町はひと味違うな。オッサンの話は、カメラがデジタルになって簡単に取れ過ぎてつまらなくなったということのようだ。そして、再開発の進む街の風景を写真に残してくれるのはありがたいと、最後には一緒に飲みませんかと誘われてしまった。結局、銭はあってプラプラしてるけど、ひとり呑むのは淋しいということらしい。私は酒は呑まないし、撮影で忙しいんでね。
赤羽
35mm
赤羽は有名な街だ。北区の埼玉の手前。飲み屋の街。酒を飲まない私にはまったく関係が無いが、撮影日は日曜日の昼、昼間から皆が呑みまくっている。気温は37℃。頭に違和感があって、撮影にも集中出来るような出来ないような変な感覚だ。赤羽は中心街は適度に古びていて適度に密集している。通りに等間隔に人が立っていて、正に北区らしいような緊張感を醸し出している。バインダーを持った怪しい人間もいる。撮影の雰囲気は大通りも路地も素晴らしく完璧に近い。
シグマの偏心レンズを処分してから、私のレンズシステムの中で28mmが空白になっている。実質的には25mmと35mmがあれば撮影には何の支障もきたさないのではあるが、また一方では " 穴 " を感じることもある。どうせなら " 凄い " 玉を投入してやろうかとも思うのだが、今は新たなレンズ導入について、それほど熱意が有るわけでも無い感じだ。
十条
40mm
低層の街並みには40mmがバッチリ決まる。このヘキサノンは一段絞って使っているが、ピント面はシャープ過ぎるくらいだ。ボケ味はケースバイケース。ボケの距離感をハッキリと出しながら、それと同時に画角も適度に広い。40mmはこれからの街撮りの定番だろう。広角側は24mmか28mm。スナップには58mmが良い。そう言った意味で、コシナは上手いラインナップを出している。
最近レンズを整理した。寄れる広角として昔から贔屓にしていたが、重量が腰に来るようになったシグマ24mm。偏心が酷過ぎたシグマ 28mm。それから、街撮影ではボケ味が出せないMFTの15mm。MFTは海や催物と動画用システムとしてズーム専用機とした。
明治神宮前
住所は神宮前4丁目。人波は多い。ファッショナブル。コスプレもチラホラ。
25mmを使い続けている。高層ビルがある場所は25mmの出番だ。前回のピント位置から若干奥に置いてみた。約1.2m。この辺りが丁度良さそうだ。
湯島
25mm
撮影地は駅は湯島で、住所は上野だ。夏の午後の路地には人が通らないので苦労した。それにしても、人の歩き姿は颯爽としているようでいて写真に撮ってみると歪な形をしていることも多い。明らかに骨格が歪んでいるのではないかと推測できる人間もいる。街歩きの緊張感か写真に撮られることへの力みなのかは知らないが。
久し振りにディスタゴン25mmを使った。このディスタゴンであるが、コントラストや階調は素晴らしいのだが、何故か私に惚れ切れさせるものが無いことを不思議に思っていた。そこで最近私にとっての写真の重要ポイントがボケ味だということが分かってきて、この25mmの問題点も解けてきた。それは、25mm故のボケなさ過ぎるということだ。そこで25mmでどうやってボケ感を出すかという問題に臨み、やっと解答を得て、今回の撮影に臨んだ。その答えは、今まではピント位置を2mにセットしてパンフォーカスで撮影していたものを、ピント位置を手前に移動させることによって遠景にボケを発生させるというものだ。今回は極端にボケさせ過ぎた嫌いもあるが、今後はバランスを掴んでいきたいと考えている。
豪徳寺
40mm
今までは、24mmから40mmまで揃ったレンズでもって、ロケーションごとに取っ替え引っ換えしながら撮影するのが良いと考えていた。しかし、歳を取るに従って、レンズ交換が面倒臭くなるというか、システムがシンプルになるというのか、どこでも40mm一本で良いのではないかと思うようになった。日ごろから一本しか使っていなければ、無人島にどれを持って行くとか、旅行にどれを持って行くとか悩まなくてすむ。
この日の天候は曇り。撮影モードをハイコントラストモノクロに設定した。しかし、よく見ると、この40mmにはハイコントラストモノクロは合わないような気がする。七工匠にはマッチしたが、ヘキサノンにはマッチしない。ということは、構成枚数の多い現代レンズには合うが、オールドレンズには合わないのか。確かに、カメラが現代のミラーレスだからだろう。