国分寺
人間というのは出会った瞬間、気付いた瞬間の7秒以内に行動を起こさなければ非常に気不味い時間が後を引くことになると言われている。例えば待合室で初対面同士が居合わせるようになった場合、7秒以内にどちらかが話し掛けたならば和やかな時間を保てる可能性があるが、7秒を逃してしまえば狭い空間で非常に気不味い息苦しさの中で過ごさなくてはならなくなる。また教室での先生の問いかけに対して勿体ぶらずに直ぐに発言するようにすれば、その場が気不味い緊張に包まれることなく進行がスムーズに進むというものである。
撮影についても同じことが言える。あっと思ったら撮る。考えないで感じるままに。7秒以内に撮る。感動が熱いうちに撮る。周りに人が沢山いようと、画面に人が入ろうと、撮りまくる。出会いの鮮度が重要だ。GRはそのために起動0.8秒の最速をうたっているのだから。前にもカメラを持ってウロウロしているおじさんの話をしたが、やはり最初からタイミングを待っていては何も撮れなくなってしまう。まずは撮ってから待つようにすることだ。出会った瞬間からタイミングは始まっているのだ。
雨上がりの午後の国分寺。予定では浅草橋に行くはずだったのだが雨雲が都心部に留まりそうだったので急遽場所を変更した。この街はJRに西武線が突き刺さることによって怪しい空間がより歪められているんだなあと感じられた。ここも路地の量感はズッシリとあるので、星五つだ。