新高円寺
40mm
典型的な一本だけ長く続く商店街である。変化に乏しく、ワンパターンな絵の連続ループに陥りやすい。
健康診断があり、心臓の異常が発覚した。おまけにピロリ菌の疑いもあるというダブルパンチだ。狼狽えて何も考えずに衝動的に撮影に来てしまった。撮影中も心なしか胸が重かった。通行者達の目も冷たく感じる。そして撮影自体にも手応えが得られなかった。そんな上手くいかない日もあるだろう。
浦和
28mm
前回では28mm なんか無くてもいいなんてことを言っていたのではあるが。時間が経つにつれて、自分のシステムのラインナップの中に歯抜けがあることに居心地が悪く感じるようになってきた。本当はビオゴンが欲しいとも思うのだが、そこまで今は気力が無いので、一旦のその場凌ぎにメルカリでリケノンP28mm f2.8を2,800円で購入した。
まずは近所を試し撮りしてみた。カラーではボケ味がドヨーンとした感じで良かった。ピント位置が1.4mで背景がいい感じにボケることも確認した。そこから浦和での現場に投入した。当日は酷暑の厳しい日差しの中であった。カラーからモノクロに転換した差異が大き過ぎた。絞り開放では全体的にフレア気味だ。ハイライトが飛び易く、滲みも激しい。ボケ味もカラーの時とは大きく荒れ気味だ。モノクロの設定はもう少し煮詰める必要がありそうだ。
夏休み中の浦和は車の列が出来ていたが、何の列かは分からない。埼玉第二の街にしてはボリュームが不足してるように感じられた。
小岩
35mm
この七工匠の35mmの歪曲収差が段々と酷くなっていくような気がする。ぶつけたり落下させた事はないんだが、経年劣化とかがあるのだろうか。それとも私の水平の取り方が甘いだけなのだろうか。そうこう言いながらも、昔のシグマのレンズのように曇りの天候でも描写がベターっとせずに、ある程度のコントラストを保ってくれるのはありがたい。
小岩は下町だ。この前の正月に柴又に行った時にも、あるおばさんから写真を撮ってるのかいと話しかけられたものだったが、今回もカメラ談義を投げかけてくる自称52歳の長身のオッサンがいた。やはり下町はひと味違うな。オッサンの話は、カメラがデジタルになって簡単に取れ過ぎてつまらなくなったということのようだ。そして、再開発の進む街の風景を写真に残してくれるのはありがたいと、最後には一緒に飲みませんかと誘われてしまった。結局、銭はあってプラプラしてるけど、ひとり呑むのは淋しいということらしい。私は酒は呑まないし、撮影で忙しいんでね。
赤羽
35mm
赤羽は有名な街だ。北区の埼玉の手前。飲み屋の街。酒を飲まない私にはまったく関係が無いが、撮影日は日曜日の昼、昼間から皆が呑みまくっている。気温は37℃。頭に違和感があって、撮影にも集中出来るような出来ないような変な感覚だ。赤羽は中心街は適度に古びていて適度に密集している。通りに等間隔に人が立っていて、正に北区らしいような緊張感を醸し出している。バインダーを持った怪しい人間もいる。撮影の雰囲気は大通りも路地も素晴らしく完璧に近い。
シグマの偏心レンズを処分してから、私のレンズシステムの中で28mmが空白になっている。実質的には25mmと35mmがあれば撮影には何の支障もきたさないのではあるが、また一方では " 穴 " を感じることもある。どうせなら " 凄い " 玉を投入してやろうかとも思うのだが、今は新たなレンズ導入について、それほど熱意が有るわけでも無い感じだ。
十条
40mm
低層の街並みには40mmがバッチリ決まる。このヘキサノンは一段絞って使っているが、ピント面はシャープ過ぎるくらいだ。ボケ味はケースバイケース。ボケの距離感をハッキリと出しながら、それと同時に画角も適度に広い。40mmはこれからの街撮りの定番だろう。広角側は24mmか28mm。スナップには58mmが良い。そう言った意味で、コシナは上手いラインナップを出している。
最近レンズを整理した。寄れる広角として昔から贔屓にしていたが、重量が腰に来るようになったシグマ24mm。偏心が酷過ぎたシグマ 28mm。それから、街撮影ではボケ味が出せないMFTの15mm。MFTは海や催物と動画用システムとしてズーム専用機とした。